ジョン・シーの残した直感という言葉、その意味は一体?
今も、ジョン・シーの背中を追い続け、臨床と研究を続ける、慶太さんにお話を聞いてみました。
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ジョン・シーに会った時のことを教えてください。


 

2001年にアメリカに、講習を受けに行ったんだ、
参加者は全員タッチフォーヘルスのインストラクターだったから「理論はもう知っているだろう」ということで、実際のキネシオロジーの実践をみせてくれた。
そのあとに、質疑応答という講習だった。
机上論ではなく臨床をみせてくれたよ。
今も自分の講座で、それを踏襲しているよ。これが一番早く伝わる。ケイ・マッキャロルも同じだったなあ。

 ケイ・マッキャロル…元イギリスタッチフォーヘルス協会会長のイギリス人、現在は教育キネシオロジー協会国際ファカルティ

どんなセッションでしたか?

タッチフォーヘルスのテクニック、メタファーとESRも結果的にカウンセリングの要素が強いから、セッションの85%カウンセリングだった。
特に印象的だったのは「遠隔代理人テスト」
同じ部屋に泊まっていた男性が選ばれて、彼の母親の問題を遠隔でやった。
そうしたら、その人が人がまるっきり変わったように号泣したんだ。
その時に「俺たちは今ロサンゼルスにいるのに、キネシオロジーで大阪のお母さんの治療ができるんだ」と驚いた。

 メタファー… 隠喩・暗喩と呼ばれる筋肉や臓器と対応する感情やキーワードのこと
 ESR… エモーショナル・ポスチャー・リリースの略で、額に手を当て前頭前野の血流を促しながらカウンセリングを行う事が多い手技

ジョン・シーはどんな人でしたか?

彼は60代で亡くなったんだけど、白髪の長身で、声も低いし
雰囲気で「参りました」って思わせる風貌だった。
でも性格は、子どもがそのまま爺さんになった様な人だったよ。
泣き、笑い、叫ぶ、怒鳴る。幼児のような人だった。高貴な人というより、人間らしい人だった。
でも、臨床になると凄まじい集中力で、人が変わったみたいだった。
あの時、ジョン・シーが日本から同行した、Iさんと怒鳴り合いになったのを覚えてるよ。
その時の俺は「くだらね〜、喧嘩が始まった」と思って見てたんだけど。
そんな俺たちに向かってジョン・シーは「カウンセリングをしているだ!集中しろ!」って怒ってた、喧嘩もカウンセリングだった。

あとは、ジョン・シーがいきなり
「みんな何時におきる?僕は牧場出身だから早起き得意なんだ、7時からはじめて3時に終わろうよ」っていきなり講座の時間が変わったりした。
後になって、車の渋滞が嫌だった事が分かったけど笑

会ってみて「やっぱり凄い!」と思った瞬間を教えてください

いざ、ジョン・シーに会ってビビってた俺は、
ジョン・シーに向かって「なんて呼べばいいですか?」「サーとか、ドクターとかつけますか?」って聞いたら
「コール・ミー・ジョン」って言ったんだよ。

ケイ・マッキャロルも同じで「平等にいこう、私は先生じゃない」というスタンスだった。
そして、どんな質問にも答えてくれた。
普通のインストラクターは答えてくれなかったからね。
レクチャーの中で、俺が一つ質問したんだ
TFH(タッチフォーヘルス)の本に”目が悪くなった場合、ブルーベリー系食べると悪化する”って書いてあって、その根拠が知りたくて
「日本では目を良くしようとしてブルーベリー食べてるんですけど、何故ですか?」って。
そうしたら、ジョン・シーは
「おれの30年間やってきた臨床を信用しろ。本に臨床をのっけたから、まず質問の前に実践しろ」って言われた。

そしてその本には臨床を積まないと分からない内容が集約されていたんだ。
当時の俺はセックス問題抱えていて、セックス中に大臀筋つることがあった。
その本の中に、大臀筋とセックス問題の関連が書かれていたから、
臨床の集約された本の凄さを実感した。

そんなジョン・シーは、
どうして最後に”直感”という言葉を残したのでしょうか?

ウルグアイのラグビーチームの映画で「アライブ」っていう実話を基にした映画を見て欲しい。
雪山に遭難した人たちが、直感で「こっちに町がある」っていう風に帰還するんだ。
直感は、そもそも人間に備わっている大切な能力だと思う。
人生の大きな局面で直感が働くってことは多くあるだろう。
でも現代人はコンフォートゾーン(快適な範囲内)にいすぎて感知できない状態だと思う。

例えば、俺が北海道を車で走っていたときにホワイトアウトが起こって、前の車のテールランプも切れてた事がある。しかも、俺の後ろにも車がいて、前も後ろも見えなくて、もう直感で走るしかなかった。
そういう時は野生の力が研ぎ澄まされるよね。
たまにゃんだって生死がかかった状態で俺の家の前に、ヨロヨロたどり着いたんだよ「この家に行けば助けてくれる」っていう直感でね。
直感は人生を動かす大切な能力だよ。

 たまにゃん…慶太さんの飼い猫で、今は久米島の実家で元気に暮らしている

…しかし、
直感やチャネリングってうさん臭いと思いませんか?

俺もうさん臭いと思うよ。
偽物も多いし、直感は脳が統合されていないとまず得られない。
そして、社会の中で自分を殺して生きていたら難しい。
この世界に怪しい人は沢山いるけど、俺はキネシオロジーを続ける中でミラクル体験をした。
体験なしでは、偽物と本物を見分けるのは難しいよね。
世の中は体験や経験の前に机上論で判断するから。

でもさ、直感を感じられずに、権威や多数派を信じて生きたらどうなる?
例えば、医者が出してくれた薬の結果が分からないのに、とりあえず飲んでいる。
俺の親父もそうだった、抗がん剤打って死んでいった。
これって、まるで全員が赤信号につっこんでいく様だと思うよ。
みんなは俺が赤信号に突っ込んでいる様にみえるんだろうけど。
アリは人工甘味料食べないんだってね、動物みたいに「なんかおかしい」とか「こっちに行った方がいい」って教えてくれる直感を感じれるかは本当に大切だよ。

  

では、ジョン・シーの言った直感と、偽物の直感はどう違いますか?

 

人間愛の大きさが違う。
ジョン・シーは彼の人間愛の大きさで、人を癒していたと思う。
宗教なんかでも、愛をうたって誤魔化している。
でも、そのレベルの違いは、体感しないと判断つかないと思う。
直感は全員にきているんだよ。
直感の過程には3つあって、天に訊く(アスク)答えをもらう(アンサー)受け取る(レシーブド)
多くの人はどれかが上手くできていないんだよね。
直感の邪魔になるのは、心配とか恐怖の感情。

あと、直感と欲望は間違いやすい。良いカッコしたかったりすると、すぐに間違うから、使う人が純粋になれているかどうか、
アンコンディショニングラブ(無条件の愛)ってやつだね。
直感の裏には必ず愛がある。

どうして、そこまでキネシオロジーを追求するのですか?

困っている人がごまんといるけど、
何が真実なのか、どんなヒーリングが効果が出るのか。
本当のことを知ってしまったから、それを伝えたいと思っている。
ジョン・シーが、先駆けとなって作ってくれた道を。
それを信じて背負って、進んで継承しているつもりでやっている。
周りからはあんまりそう思われていないと思うけど。

キネシオロジーは、まだまだ研究されていない分野だから。
誰かが先に行かないと道ができない。
舗装されていない道路を切り拓いて獣道を作って進んでいる感じだよ。後の人が舗装してくれと思っている。

だから、筋肉反射テストは世の中の最先端だと思う。

あと、俺の星は太陽と海王星がコンジャンクションだから、ブーメランのアスペクトもあって夢を追う性格なんだ。


コンジャンクション…西洋占星術において、惑星同士の一番強い関係性の角度のこと。海王星と太陽のコンジャンクションは夢を追う性格を表す。
ブーメラン…さらに複合的で、稀な惑星同士の角度

直感が人に必要な能力だというのは、理解できたのですが、
では、私たちがその直感を得るためにはどうしたらいいのでしょう?


 

まずは脳が不統合の状況で直感は得られない。
だからWBK( ホールブレインキネシオロジー)はかなり大切。
あとは指示待ち人間、自分から動けない人、顔色伺い過ぎの、いいなり人間も直感は来ないよね。
だってロボットが直感こないでしょう。

あとは、愛と恐怖は共存しないから恐怖がいっぱいあっても無理。
そういう人はカウンセリングをやって心の解放しよう。
不安要素があって自分に沿っていない心理状況が続くと、直感はかけ間違いが起こる。
つまりお母さんのトラウマの投影が起こって、お母さんの声が神の声に聞こえる様な事になる。
あとは、朝日見る、瞑想する、体に熱を入れる事は大切にしているよ。
汗をかかかないと、変なものをいれてしまう。汗は天然の抗生物質だからね。

※WBK(ホールブレインキネシオロジー)… キネシオロジーの体の動きから脳を鍛える、ブレインジム。その動きを基本として、さらに負荷をかけたり発展させた齋藤慶太発案の運動。

ナルホド〜
ありがとうございました。

2020.03.10

編集後記
直感と聞いて、なんだか最初は「怪しい」と思ってしまいました。
しかし、かくいう私もキネシオロジーを習ってから早いもので、2年が経とうとしています。クライアントの手に触れ、アスクを投げかけた後、アンサーが”直感”としか言えない形で降りてくる。
そんな経験を何度もしました。まさに「事実は小説よりも奇なり」ですね。
学校では絶対に教えてくれない、直感の存在。それを説いたジョン・シーと慶太さん。
私も、ジョン・シー博士が語った直感に少しずつ近づく事が出来ているのでしょうか。
今の私は実感と体験から「アリだって直感で人工甘味料を見分けるし、人間にだって備わっている」と考えるようになりました。
しかし、その上でキネシオロジーを使う者が1番注意しなければいけないのが、自分自身のトラウマの解放です。自分のトラウマが解放されていなければ、トラウマを投影し、歪んだアンサーをキャッチするかも知れません。玉石混合のヒーリング業界、自分の精度を向上させる事が何よりも大切だなぁ〜と改めて考えさせられたのでした。

2021.03.02再編集 インタビュアー:ミノ