キネシオロジーの歴史

もともとヨーロッパから始まった学問で、キネシオロジーという言葉は、ギリシャ語のκίνησις キネシス(kínēsis、動き)、λογία -ロギア(logia、研究・学問)から来ています。

 カイロプラクティックの学生が偶然発見した「筋肉反射テスト」

アメリカのカイロプラクティックを学ぶ学生たちが、筋力がその時の条件で弱くなったり、強くなることを発見したことにはじまります。下の図をご覧ください、つまり「心や思考と筋力には深い関係がある」ということになります。これがキネシオロジーの中心的な技術である「筋肉反射テスト」の発見です。この技術を基礎にキネシオロジーは世界的に広がっています。
①も考えないで押すと腕はしっかりしている
②しかし患部である「胃」をイメージしながら押すと腕が弱くなった
③弱っている筋肉にマッサージしたり、別のポイントをこすったりすると筋肉が強くなる

 発見後の発展

筋肉が必要以上に弱ると、内臓や骨格にも影響がでて病気や様々な不調を生み出しているかもしれない。これを逆に考えれば「全身の筋肉が強く正常に働いていれば全身のバランスが整い、健康になれるのではないだろうか?」このような考えのもと筋肉を強くするために様々な方法が研究されました。東洋医学を取り入れたり、カイロプラクティックのように背骨を矯正したり健康食品を使用したり。こうして東洋医学・栄養学・心理学などを取り入れキネシオロジーは「様々な方法で筋肉に働きかけ、人間を健康な状態にバランス調整する方法」として体系化されました。

 1973年タッチ・フォー・ヘルスの誕生

1964年にはコロラド州デンバーで行われたカイロプラクティック会議でジョージ・グッドハート博士により医科向けキネシオロジー「アプライド・キネシオロジー(AK)」が発表されました。それは当初医療者や治療家しか学ぶことのできないものでした。しかし1973年にはカイロプラクティックドクターであるジョン・F・シー博士がAKを分かりやすく家庭向けに「タッチ・フォー・ヘルス(TFH)」として生み出しました。

ジョン・シー博士

 五行メタファーの誕生

ジョン・シー博士の手によってさらに研究が進められ、身体の筋肉・臓器と東洋医学の五行論との関連性がキネシオロジーから再発見されました。筋肉には花言葉のように筋肉の示すメッセージ「メタファー」があるということです。例えば深い悲しみを抱えすぎている人は、悲しみに対応する臓器である肺と大腸の経絡が乱れ、便秘や下痢または喘息といった形で体に現れます。肺経に対応する筋肉は前鋸筋(ぜんきょきん)や横隔膜(おうかくまく)などです。これらの筋肉に触れて症状について探っていく手法を五行メタファーといいます。